モトアザブ退屈日記

日々のモノ・コト・忘備録。クルマ、時計、オーディオとか骨董とか。

シャコンヌさんの展示会

弦楽器店 シャコンヌさんの展示会へ行ってきました。

楽器の調整や弓の毛替えもやって頂けるとのことだったので、会場に楽器を持ち込んで、調整と弓の毛替えをお願いしました。

魂柱を交換する

シャコンヌさんが研究の末に生み出した弦楽器の「新しいセッティング」を試してみました。

また、魂柱の材質や長さも新しいセッティングには合わなそう、とのことだったので、魂柱も交換していただきました。

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これが交換した元の魂柱です。「意外に長い!」というのが第一印象。太目の鉛筆くらいの長さです。針葉樹でできていて、両側は楽器の表板・裏板の曲線に合わせて斜めに削られています。

驚いたのが魂柱の「音」です。机に落とすように置いたときに「非常に高い、澄んだ音」がします。交換したシャコンヌさんの魂柱はどのような音がするのでしょうか?

調整していただいた楽器を弾くと、まず楽器全体が弦の振動を増幅するように「鳴る」ようになったことがわかります。体で支えていて裏板が振動しているのがよくわかります。

スピーカーの評論でよく「箱鳴り」という表現があり、スピーカーとしては性能の悪い表現として使われますが、楽器全体が鳴る状態は悪い物ではありません。

Ma Rong-Di氏製作の弓

レッスンの際、チェロの先生に「Ma Rong-Diの弓はいいですよ」と聞いていました。Ma Rong-Di氏はいわゆるオールド弓をモデルにした楽弓製作の名工なのだそう。

展示会にはそのMa Rong-Di氏の弓が4本も。サルトリーモデル、ペカットモデル、キッテルモデル、トルテモデル。それぞれ古典の名作弓のレプリカです。

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調整した自分の楽器で弓を引き比べしてみましたが、違う楽器を弾いているのかというくらいに弾き心地が変わります。今使っている量産品の弓と比べて圧倒的に弾きやすい。

 ・余計な力がいらない

 ・弓先、弓元で音が変わらない、出てくる音が一様に艶のある美音になる

 ・難しいパッセージも簡単に弾けるようになる

一言で言うと「上手くなったように」聴こえるのです。

良い道具は使う人の欠点を補って余りある、あるいは「名弓は七難隠す」とでも言いましょうか。

とにかく、弦やエンドピンや楽器のパーツ交換で変わった音とは桁違いの変わり方です。弓で全然違う。

弾くのに苦労している無伴奏の後半部分とか、Ma Rong-Di氏の弓だと簡単に弾けるようになっていたのでびっくりしました。

個人的には「ペカットモデル」の弾き心地が秀逸でした。なるほど、作家さん製作の弓ってこんなに佳いものなのか、と弦楽器の奥深さを思い知らされる出来事でした。

 

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