「弾きやすい楽器」になった
前々回のレッスンの際に、今の楽器を先生に弾いてもらう機会がありました。
スラースタッカートの弾き方を習う際、「ちょっと楽器貸してみて?」と先生。
「こんなふうに弾くんですよ」と弾きながら「うわー、この楽器弾きやすくなったねぇ!」と驚いていました。
(そうなのか!)ずっと自分の楽器しか弾いていないので変化がよくわからなかったけれど、弾きやすくて鳴らしやすい楽器になっているようです。
楽器の購入から1年3ヶ月、どれくらいお金が掛かったかまとめてみました。
楽器本体・弓・ケースのお値段
2020年12月 楽器:Anton Prell#3 495,000円 島村楽器
弓:Ary France CPPF 264,000円 島村楽器
ケース:カーボンマックCFC-3 132,000円 島村楽器
2021年12月 弓:L'arche Brasil SP Mammoth 550,000円 シャコンヌ
現在の弓は楽器よりも高い、という状態です。
カスタマイズと調整のお値段
2021年 6月 テールピース交換調整(エボニー、イングリッシュタイプ)
エンドピンソケット交換調整(ULSA) 40,000円 鈴木ヴァイオリン工房
2021年 8月 エンドピン交換(真鍮スチール芯) 19,800円 見附精機工業
2021年 9月 エンドピン交換(真鍮チタン芯) 20,900円 見附精機工業
2021年10月 魂柱交換調整 19,000円 シャコンヌ
調整で10万円くらいかかってますね。
弦は消耗品ですが、お高いエヴァピラッツィ・ゴールドのフルセットで45,000円くらい。結構チェロにお金をかけましたなぁ、と気づきます。
どんどん変わる楽器のキャラクター
この中で特に初期状態から音が大きく変わったのは「テールピースの交換」と「エンドピン交換」そして決定的だったのが「魂柱交換」でした。テールピースの交換で弓のレスポンスが良くなり、エンドピン交換で音離れが良くなりました。魂柱を交換して響きがパワーアップしてこの楽器のキャラが出た感じです。先生に言わせると「コーヰチローさんの音になっている」らしい。これは素直に嬉しい。
技術的な面では新しい弓にしたことで、それまで難しかった部分が割と簡単に弾けるようになったのが大きな進歩。楽器より弓の方が高い状態なのですが、演奏技術的な部分は楽器の良さより弓の良さでかなりカバーできると思います。
今の状態がベスト
とりあえず、今の楽器と弓、今の楽器のセッティングでチェロを弾くことが積極的に楽しい状態です。「あれ?出てくる音があんまり気持ち良くない」というストレスがない。
その意味で「Anton Prell」はエントリー向けの量産楽器ですが、きちんと作られていて、いろんなカスタマイズに応えてくれる、楽器の調整にしっかり反応する楽器です。板厚が厚くて全体に重かったりしますが、その分頑丈にできていて高温多湿な日本の気候でもそう大きく狂ったり割れやヒビが入ったりすることはなさそうです。単板削り出しの表裏板、エボニーの指板やナットは非常に弾きやすい形でセッティングされてますので、そのままでも十分に弾きやすい。カスタマイズすればそれだけ応えてくれる、いい楽器だと思います。
上を見ればきりがない楽器の世界。次のレベルだと300万円クラスのチェロ、ということになるでしょうが、今の演奏レベルだとこの楽器でしばらくは満足できそうです。