J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV.1007-1012(全曲)
1991年、仏ヴェズレー、サント=マドレーヌ大聖堂(Basilique Sainte-Marie-Madeleine)でのレコーディング。ちなみにBasilique Sainte-Marie-Madeleine はロマネスク建築の至宝と評される、世界遺産の美しい教会建築です。
無伴奏チェロ組曲 全曲 LP盤4枚に収録されています。
60歳になるまで無伴奏の録音はしない、と明言していた巨匠の64歳での「最初で最後」の無伴奏全曲レコーディング。
大聖堂での無伴奏チェロ組曲。
LP盤を一枚一枚聴き進んでいくうちに、巨匠がチェロを通じて神に昇華していくような錯覚を覚えます。チェロの音が空間に満ちる、リアルな迫力がレコードから感じられます。
4枚目、第6番ニ長調 BWV.1012 まで聴き進めていくと、神々しさが極まってちょっと泣けるほどです。なんでしょうかこれは。魂が揺さぶられるような音楽。
マイスキーやヨーヨー・マの演奏ももちろん素晴らしい。あのパワフルさや豊かな抒情性も良いが、ロストロポーヴィチの神々しさに満ちた演奏は新鮮な感動でした。